赤外線反射率とサボッタ ギア
敵の監視からうまく見つからないようにするには、さまざまな工夫を積み重ねることが重要です。一般的な暗視カメラによる監視から 視認しずらくする、近赤外線像を低く抑える能力 / near infrared (NIR) signature reduction は、その重要な能力の 1 つです。
暗視カメラで見た際の近赤外線像を低減するには、その可視部分が周囲と同じような近赤外線反射率である必要があります。これは、迷彩 パターンを裸眼で見た場合に背景と同様に可視光線を反射することで見分けがつきにくくなるのと同じことです。特定の近赤外線の反射 特性は、染料、仕上げなどさまざまな製造プロセスによって実現されます。こうした特殊な製造技法は、素材原料 (布地、ウェビング、プラス チック、金属) と要求されるパフォーマンスによって異なります。
一般的な NIR (約 750 ∼ 1000 nm) 近赤外線暗視装置の他に、SWIR (short-wave infrared, 約 1000 ∼ 2500 nm) 短波赤外線装置 もあります。近赤外線 スペクトルで動作するように作られた材料は、短波赤外線スペクトルでも微弱ならが効果を発揮する場合があります。 短波赤外線暗視装置は実際には非常にまれですが、将来的にはより一般的になる可能性があります。
ギアが「軍用のような」外観であったり、迷彩柄であったりするからといって、暗視監視から隠ṭできるわけではありません。そのギアは、 暗視装置を通して見るとネオンサインのように光る場合があります。これが、「本物のギア」と「似たような」ものを区別する 1 つの点です。
ギアや衣類のNIR仕様は、蛍光染料入りの洗剤を使用すると簡単に損なわれます。これが、ギアを水だけで手洗いすることをお勧めする 理由の 1 つです。
1.中国製ミリタリーもどきのアタックバック(グリーン) 2.サヴォッタ ハトカ12L カモM05 3.サヴォッタ ヤーカリM グリーン 4.サヴォッタ ケイッカ30L ブラック 5.サヴォッタ FDFスリーピングパッド
SAVOTTAが使用する素材のNIR性能
フィンランド国防軍との緊密な関係により、サヴォッタ社が使用する素材のほとんどは、厳格な軍の技術仕様に準拠しています。フィンランド 国防軍は、装備に非常に高い赤外線反射性能を要求しており、使用が承認されるには素材が非常に厳格な反射仕様を満たす必要があります。 このような素材を使用することで、サヴォッタのギアのほとんどが最高レベルの 近赤外線像低減性能を発揮します。その一方で、サヴォッタ 社はさまざまな色や用途の装備を製造しており、使用する素材のほとんどは特定のNIR反射仕様に従って製造されていますが、一部の素材 はNIR性能を有しないものもあり、ギアの用途を考慮して、外装の細部や内装の縫い目など完成品のNIR仕様を損なわない形でこうした素材 を使用しています。
1.コーデュラ、グリーン 2.コーデュラ、ブラウン 3.コーデュラ、ブラック 4.コーデュラ、カモM05 5.コーデュラ、マルチカム トロピック 6.コーデュラ、マルチカム 7.210D PA、グリーン 8.210D PA、ブラウン 9.210D PA、ブラック 10. 210D PA、オレンジ
経験則として、コーデュラまたはウェビングを主な素材として使用したサヴォッタの緑、茶色、および迷彩柄のギアはどれも、優れた NIR パ フォーマンスを発揮します。一部の黒色素材は、NIR 反射率仕様に従って製造されていませんが、黒は視覚的に迷彩効果のある色ではない ため、近赤外線スペクトルで高い低減パフォーマンスを発揮する必要がある色とは見なしておらず、たとえ軍事用途であっても、すべてのア イテムが NIR 仕様である必要はありません。ただし、運搬に使用するギアや装備服などの目に見えるギアは常に近赤外線像低減性能を管 理していく必要があり、こうした考えに基づいて、サヴォッタは製品設計をおこなっています。